「センスとは何なのだろうか?」
これはぼくの大きなテーマだった。
子どもたちを前に大人たちが
「あの子はセンスがある」と批評を披露している一方で、
「あの子にはセンスがない」と断定している光景を目の当たりにしては、
「あぁ、またか」と悲しい気持ちになることがあった。
「タレント」と呼ばれる「生まれつきに持ち合わせたもの」は
確かに存在すると思う。
けれど、
「センスを磨くにはどうしたらいいだろうか?」という問いに向き合い
子どもたちの「感性」を養うことこそ、
ぼくたち大人に求められていることではないだろうか。
久石譲さんの音楽が好きで、
心を落ち着かせたり、気分を盛り上げたいときによく聴く。
彼の著書の中にある言葉に出会った時は、
止まりかけていた脚がググッと動き出した感覚を覚えた。
『最近いろんな人と話していて思うのは、
結局いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切だということだ。
創造力の源である感性、
その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ』
そう、センスは磨けるんだ。
心が動く体験に触れると、
それが大切な要素として、
自分の「引き出し」にしまわれる。
16色の絵の具よりも
32色の絵の具の方がたくさんのことを表現できる。
「あの子はセンスがない」 と断定するのではなく、
「どんな心が動く体験をつくれるだろう?」という問いに答え続けたい。
子どもたちが望む引き出しに
たくさんの体験を入れてあげられる大人になりたい。
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