「これから、どんな進路を描いていったらいいんだろう?」

高校3年生を迎えると
僕たちには大きな決断の機会が迫ってきます。

いままで何も考えてこなかったわけじゃないけれど、
これからの大きな決断をするだけの幅も深さも
経験してきてないんじゃないか。

大人になることへの期待と、
何かを決断し、何かを捨てることへの恐れが
同時に沸き起こってきた体験は、
あなたにもあったはずです。

 

また、
進路という言葉を「キャリア」に置き換えれば、子どもたちだけでなく、僕たち大人も、その言葉のリアルな感覚がヒリヒリと肌に伝わってきます。

 

 

島根県本土から沖へ約60キロ。フェリーで3時間以上かかる2300人ほどの小さな島で、僕たちは高校生と一緒に「進路」について考える機会(ゼミ)を6回に渡り、共につくってきました。

 

  • 進路選択って何だろう?
  • 進路を考える際に重要なことは?
  • 進路を選ぶってどうすればいいの?
  • そもそも、進路って何だ?

 

進路に悩む高校生たちに「こうしてみては?」とアドバイスができたらいいのですが、この複雑で変化の早い時代の中においてアドバイスや指示は効果が高くありません。

高校生自身がときにもがきながらも、
進路選択を自分ゴトとして捉えることが重要です。

 

では「自分ゴト」にするにはどうしたらいいのでしょう?

 

それは
自ら問いをつくり、
答えを見つけていくこと。

高校生自らが問いをつくることこそが
これからの自分らしい未来を切り開いていくんだと僕たちは考えました。

 

「魅力的で持続可能な学校と地域をつくる」

すこしだけ、
僕たちが暮らす「海士町の教育」について
お伝えします。

10年ほど前、隠岐島前地域では、
この地域唯一である隠岐島前高校が、生徒数の減少により廃校の危機を迎えていました。

高校が廃校になると、
高校生が地域からいなくなるだけでなく、
働き盛りの親たちが家族ごと島を出る…。

人口減少に歯止めがきかず、
地域の少子高齢化は加速、伝統行事や一次産業は担い手不足で衰退し、
地域の活気は失われ、やがて島に住む人がいなくなる…。

そんななりゆきの未来が予想されました。

 

暗い未来が見える中、島前3町村が協議し、
活路を見出したのは

・生徒が行きたくなる
・保護者が行きせたくなる
・地域が活かしたくなる

そんな「魅力的な学校をつくる」ことでした

様々な立場や意見の違いはありましたが、
お互いの地域への想いや子どもたちへの想いを共有し、互いに折り合いながら、少しずつ連携を進めてきました。

 

その結果うまれたのが、
「島前高校魅力化プロジェクト」です。

 

 

現在では、
離島・中山間地域では異例となる生徒数の倍増を実現し、日本全国、さらには海外からも生徒が集まる高校になり、倍率は2倍から3倍を推移しています。

 

引用:隠岐島前魅力化プロジェクト(同然高校の全体性と数の推移)

引用:隠岐島前魅力化プロジェクト(島前高校の全体性と数の推移)

 

同時に、高校への地域内進学率も高まり、
子どもたちの地域外流出が止まりました。

また、生徒たちは学校だけでなく島全体で学び、地域に活気をもたらしています。
海士町への影響を見てみると、観光や人口などにとどまらず、
地域の祭りで神輿が復活するなど文化面にも波及していることがわかりました。

 

引用:隠岐島前魅力化プロジェクト(地域へのインパクト)

 

その結果、
「いつかこの島に戻ってきたい」と言う生徒も現れはじめ、実際にUターンし活躍している生徒もいます。

学校や地域が魅力的になると、
地域に子どもが留まり、若ものが流入する

そして未来の担い手が増えることで、
地域の文化・産業が継続・発展する

最終的には、
それが更なる魅力につながり、好循環を生み出すことになったのです。

 

教育魅力化の取組はあくまでプロセスであり、
ゴールはありません。

生徒一人ひとりの主体性はどのように高まるのか生徒の協働を促すために教員はどうあるべきなのか小・中学校と連携して取り組むべき課題は何かなど、まだまだ課題は山積みで、悩みも尽きません。

これらの課題を一朝一夕で解決することは不可能です。

けれど、
それぞれの組織の壁を乗り越え、共に悩み、
共に解決に糸口を見いだすことができると信じています。

 

進路の答えを教えるのではなく一緒に問いをつくる

 

話を「問い」に戻しましょう。

 

「答えを教える」のではなく
「問いをつくる」には大きな効果があります。

 

それは

時代が変わると
「答え」は変化するけれど
「問い」は変わらないこと。

 

  • 私が夢中になっていることって何だろう?
  • 私はどんなことに幸せを感じるのだろう?
  • 私はどんな生き方がしたいだろう?

 

これらの問いは
今から100年後の2221年に自分へ問いかけても、大きな力を発揮します。

 

 

自分のため、誰かのため

 

また、
ゼミの4回目、5回目には

未来の自分が、
いま、進路に悩んでいる自分へ質問を贈る

機会をつくったのですが、
とても素敵な瞬間に立ち会えたと感じています。

 

2031年の自分が、
2021年の自分へ問いを贈る。

 

そこで生まれたのは
自分のためにしたことが、
自然と誰かのため、
利他につながる光景でした。

 

誰かが「過去の私のために贈った問い」が
自分にとても響いてくる。

 

自分が「過去の私のために贈った問い」が
誰かに響き、答えたいと感じてくれている。

 

誰かの幸せのために
できることは何かないか?

と考えることも素敵だけれど、

自分を幸せにするためにしたことが
誰かの幸せにつながっているんだ、と感じられるってとても素敵じゃないですか。

 

今回、制作しているカードの枚数は53枚。

うち1枚は「白紙」とし、
ご自身で問いをつくる楽しさを
感じていただければと思います。

 

 

どんな使い方があるの?

 

このカードには自然に「心理的安全性」を高める工夫をしています。

質問には種類があり、人を責めるような尋問、答えを誘導する誘導質問や命令質問、その人を試すようなクイズまで様々です。人はそこに「心理的な安全性」を感じられないと、自分の中にある「本当の答え」を見つけ、表現することができません。

 

人数は3〜4名。
人数が増える場合は、小グループをつくることをおすすめしています。

時間は30分〜1時間で、場所を問わずできる対話型のカードです。 

 

僕たちも

  • 島を訪れた視察の方々と一緒に
  • キャリアに悩む大学生や社会人と一緒に
  • 小学生の子どもをもつ親子との飲み会の席で

など教育関連のイベントだけでなく、
日常の暮らしの中で、まるで遊ぶように取り入たり、アイスブレイク的に活用したり、じっくりと対話を深めています。

また、オンラインでも気軽に楽しむことができます。

 

デザインはどんな感じ?

 

春になると海士町でよく声が聞こえてくる鳥・ウグイスをモチーフに「幸せの青い鳥が問いを運んできてくれる」イメージを表現しました。それぞれのカードには数字がナンバリングされており、いくつかの問いを組み合わせることでストーリー性のある対話を過ごすこともできるよう工夫しました。

 

 

 

お客様の声

 

 

カード、届きました!ありがとうございます。
早速、20項目分、自分でも答えてみたのですが、しつもんによっては、精神の根っこに直撃してきますね。
すごいしつもんばかりです。カードという形式も、よいのだと思います。また、昨年入社した新人スタッフにカードを託しました。あのカードには、仕事の企画作り(自分のしたい仕事、したくない仕事のイメージ化)にも役立てられるように思いました!

 

 

 

販売をはじめます!

 

高校生たちと一緒につくった未来の「私」へ贈る問いは、カードの形にして全国の中高生など、これからの進路や進む道に悩む方、また生徒と関わる方へ届けていきます。

うれしいことに、
すでに50名以上の方にご購入いただきました。本当にありがとうございます!

 

Life Is Learning 高校生が未来の「私」に贈る問い 

  • カード枚数:54枚(うち1枚は白紙)
  • 金額:5,000円(送料込み)
  • 同梱物(カード、カードケース、簡単な使い方説明書)

 

 

 

 

 

 

しつもんゼミの内容をご紹介します!

 

 

 

 

 

 

さいごに

 


「私たちはどう進路選択するのか?」 塾で高校生と関わる立場として、このシンプルな問いにここまで向き合ったのは初めてでした。まだ答えはわかりませんが、カードを通じて高校生・大人と語り合った実りのある場が、より多くの中学生・高校生・大人に届くことを願います。(齊藤みずも)

 


選択できることはとても豊かなことです。でもその選択を目の前にするとき、人は迷ったり戸惑ったりします。高校生だけでなく大人もそうです。僕は「正しい選択」というのは存在しないと思う。どちらかというと、「選択したことを正しいことにしていく」のが人生そのものだと考えています。これからの長い人生、いつでもカードを引っ張り出して、あの日の自分と向き合ってみてください。僕もそうします。(大野 佳祐)

 

藤代圭一

「専門家になりなさい」「プロフェッショナルになりなさい」それらの言葉が僕には重くのしかかり、逃げるように様々な経験を積んできました。大学を中退したり、社会人となった後も、長く続かない好奇心を持つ自分を罵り、他者と比較しては落ち込んでいたことは30代を過ぎてからもあったように思います。そんな理想的なキャリアを描いていない自分が高校生と一緒に進路の問いをつくることは大きな挑戦でしたが、終わってみれば、もっとみんなと語り合いたいという気持ちになっていることに驚いています。高校生たちと一緒につくったこのカードを通じて、1人でも多くの人が自分自身のいまと未来に向き合うきっかけになったらとても嬉しいです。(藤代 圭一)

 

 

 

 

Life Is Learning 高校生が未来の「私」に贈る問い 

  • カード枚数:54枚(うち1枚は白紙)
  • 金額:5,000円(送料込み)
  • 同梱物(カード、カードケース、簡単な使い方説明書)

 

 

 

 

 

 

 

 

●制作